『あなたの人生の物語』を読んでみた。
えみる:どうも、山田えみるのえみるのほう、えみるです。最近、インプット期らしく、テッド・チャンのSF『あなたの人生の物語』を読んでいます。短編集で、まだすべては読めていませんが、このブログでは表題作を紹介していたの。
神林さんに怒られそうなSFの買い方 pic.twitter.com/r287zef527
— 山田えみる@世界の尾張とワンダーランド (@aimiele) 2017年3月12日
えみる:完全に映画化によって本作を知って、映画の表紙の文庫を買うという、ミーハー極まりない読み方をしています。恥ずかちぃ。正直、タイトルだけは知っていましたが、それ以上のことをなにひとつ知りませんでした。
えみる:本作は短編集で、8作の短編が収録されています。
ウィスキーを飲みながら、古いSF小説を読む冬の終わり。
— 山田えみる@世界の尾張とワンダーランド (@aimiele) 2017年3月14日
えみる:『あなたの人生の物語』、100ページ程度の短編です。地球に降り立ったエーリアン『7本脚(ヘプタポッド)』の文法を解き明かそうとする言語学者の物語です。娘との『回想』をはさみながら、物語が進んでいく。
えみる:特殊なガジェットは登場しません。特徴的なのは、ヘプタポッドの操る言語。彼らには文字がありますが、それは右から左、上から下のように、行ラインで綴るものではありません。さながらひとつの図画のように、複雑に入り組んだ文字(というか文章そのもの)を使います。
— 山田えみる@世界の尾張とワンダーランド (@aimiele) 2017年3月15日
えみる:それを書くためには、文章を書き出すタイミングで、起こることすべてを理解していなければなりません。彼らの文法では、因果が複雑に入り組んでいるからです。過去も未来も内包するその言語は、作中で『フェルマーの原理』で説明されています。
えみる:『フェルマーの原理』は、光の屈折(光路)に関わる原理です。曰く、『光は光学的距離が最短になる経路、すなわち進むのにかかる時間が最小になる経路を通る』というもの。
光線は動きはじめる方向を選べるようになるまえに、最終的に到達する地点を知っていなくてはならない。
えみる:ヘプタポッドたちの言語も同じで、彼らは未来を見通した上で、現在と分け隔てることなくそれを認識し、活動しています。そのため、彼らの言語は未来を内包しているのです。そして、彼らの記述法を習得し始めた主人公は──。
えみる:非常に面白く、SF的に楽しめた作品です。が、出て来るものが抽象的すぎて、これってどうやって実写化するんだろうという疑問ばかりが残ります。二時間にも出来ないような気がするし、映画版、やはり気になりますね。
@aimiele 劇場にて君の目で確かめよう!(私は確かめる予定です)
— 太刀川るい (@R_Tachigawa) 2017年3月13日
えみる:機会があれば、短編集の別の作品『七十二文字』を取り上げます。正直、すごく好みなSFで、設定だけパクりたい……。
えみるさんはね、楳図かずおの14歳といい、ある時期から突然人類という種が子孫を残せなくなる設定大好きなんだよ。
— 山田えみる@世界の尾張とワンダーランド (@aimiele) 2017年3月14日
これ、『七十二文字』って人の染色体の数か、ふふ、粋な表現――、と思って調べたらちがった。はずかしい、
— 山田えみる@世界の尾張とワンダーランド (@aimiele) 2017年3月14日
山田:(えみるさんのインプット期というのは、書きたい物語はあるけど、まだ固まっていないから書き始められなくて、もだもだしている時期……!)
えみる:(そしてそのとき読んだものに異様に影響を受けるやつ( ˘ω˘) )