誇り高き決闘者である山田とえみると、昨日の遊戯王界隈の大騒動について。
山田:( ˘ω˘)
えみる:ほら、山田もこのように反省しておりますので。
えみる:どうしてあんなことをしてしまったんだね。(ライトを向けて)カツ丼食べるか?
山田:カツ丼いらないです。昨日の夜、20日に発売されるVジャンプの内容を、何故か大勢の決闘者たちが知っていたのです。不思議なことに。みんな一斉に。
えみる:不思議なこともあるもんだ。
山田:みなさんが騒いでいたのは、大幅なルール改正があったからです。とはいうものの、ルール改正自体があることはわかっていました。なぜならここ三回、新しいアニメが始まる頃には、新しい召喚方法とそれに合わせた法改正が行われていたからです。
◯遊戯王ZEXAL:エクシーズ召喚(黒枠)@マスタールール2(2011年)
◯遊戯王ARC-V:ペンデュラム召喚(下半分が緑色)@マスタールール3(2014年)
えみる:ふむ。そうやって、新しいアニメになる度に、新種のカードを刷るわけだ。それに対応したルールがどんどん追加されていくと。
山田:そして今回も、4月から新しいアニメが始まるため、新しい召喚法が追加されました。それが『リンク召喚』です。
えみる:それでなんでそんなにみんなが慌てていたの。いつもどおりじゃない? そんなに強いの、その『リンク召喚』ってやつは。
山田:リンク召喚それ自体は、それほど強くはありません。リンク召喚に合わせたデュエルフィールドの改定も行われましたが、それもたいした影響がありません。みんなが一番パニックになっていたのは、いままで好き放題やっていた上の3つの召喚方法が、制限されたことによるものです。
①上のような召喚方法によるモンスターは場に一体しか出せない。
②リンク召喚を行い、リンクモンスターを出せば、然るべき場所にさらに出せるようになる。
えみる:ふむ。
山田:これってとっても大きなことなんです。なにしろシンクロ召喚が導入されてから、もう10年。これらのモンスターは素材や条件さえ揃えれば、自由に展開できたんですから。昔の遊戯王を知っている人には、『生贄召喚が導入された』レベルのルール改定といえばわかりやすいでしょうか。
山田:中でも、いわゆるキャラデッキ(漫画やアニメのキャラのデッキの再現)を行う際に、これは非常に厳しく効いてきます。なぜなら、過去のその漫画やアニメのときに、リンクモンスターなんて当然使っていないし、当たり前のように二体・三体と展開をしていたのですから。
山田:特にぼくの好きな『シューティング・クェーサー・ドラゴン』(ほかそれに準ずる召喚条件のモンスター)は、事実上、リンク召喚を踏まなければ召喚できないこととなりました。リンクをしなければ場に一体しか出せないモンスターを三体を使って召喚されるためです。
山田:前提条件が大きく変わるから、いままでのカードの評価も一変します。例えば、大量展開をさせないための『次元障壁』って罠なんかは――。
★重要 スキップ買取お知らせ★
— トレカショップ スキップ (@SkipTamade) 2017年2月17日
マスタールール変更に伴い
一時買取中止カード
エクストラカード(エクシーズ・シンクロ・融合・ペンデュラム)
買取チラシより除外カード
次元障壁(スーパー)1800円→300円
次元障壁(シークレット)2500円→800円
山田:そもそもリンクモンスターを止めれば大量展開されないので、このように評価がガクッと落ちることになりました。他にもいろいろ考え直さなくちゃいけない。細かいルールもわかっていないから、どのような解釈になるのかわからないカードも多い。だから――。
えみる:店も大変だ。
山田:昨日の決闘者界隈はこんな状況です。ブラックフライデーです。
なんかこう、色々と入荷しました。 pic.twitter.com/tSO4uyt7Bp
— Mishra's Cardshop (@Mishra_card) 2017年2月16日
遊戯王新ルールにつき、しばらく遊戯王の買取を停止させていただきます。
— Mishra's Cardshop (@Mishra_card) 2017年2月17日
お店辞めますかーーーーーーーーーーー!!!!!!!
— Mishra's Cardshop (@Mishra_card) 2017年2月17日
しかし各地のカードショップもこの「暗黒の金曜日」のあおりを受け遊戯王の買い取りを停止し、結果としてはき先をなくしたデッキは紙くず同然となりました
— デュエルキングになった、ドロッセルbot (@Kozmo_bot) 2017年2月17日
(画像:紙束となった十二獣〇〇デッキを積み木にして遊ぶYP達) pic.twitter.com/YQf0nMsCS3
えみる:それで、遊戯王5D’sの映画から決闘者に復帰した山田は、これで引退するの?
山田:いえ、しませんけど?( ˘ω˘)
えみる:なにゆえ( ˘ω˘)
山田:いまの(いままでの)遊戯王は、めちゃくちゃゲームスピードが速かったんです。攻撃が可能になる後攻一ターン目に、先攻プレイヤーが殴り殺されることもまれによくあります。それだと詰まらないから、パワーカードを積んでそれを防御したり、事前に封殺したりします。
えみる:そうすると、それに殺されないように、相手もどんどんパワーカードを使う、か。
山田:そうです。なので、賛否両論ありますが、ゲームスピードを落とさざるをえないこのマスタールール4の改定は個人的には諸手を挙げて賛成です(どうせ一年後にはKONAMIが異常な汎用性のリンクモンスターを刷って環境を壊すんでしょうが)。
山田:デュエルをする機会が少なくなってきたので、できれば1ゲーム1ゲーム、ゆっくりと駆け引きをしながら、楽しみたいものです。それがアナログ対人カードゲームを選んでいる理由ですから。
山田:それに前提条件がまるっきり変わったので、カードそれぞれの評価もまたしっかり考え直さないといけません。普段使えなかったあのカードも、評価がうなぎのぼりなのもあります(ルールの詳細によりますが)。そういうの、『ネットの集合知で合理的レシピがすぐ手に入る』のとはちがう、『カードゲームしてる感じ』がします。
えみる:それにしてもカードゲームって追加のパックを売らないといけないから、インフレが止まらないし、インフレしきったらこういうことになるんだね。
山田:(ガンダムウォーよりはマシ……)